「今のキッチン、壁に向かっているので対面式に変えたいんです(*´▽`*)」とさわやかに言ってくるお客様・・・。
それ、相当工事をしないと対面式にはならないのですよ。

はい、どうも。
リフォーム屋さんが本業のポテポテです。
今回は月に1~2回聞かれる「壁付けキッチンを対面キッチンにしたいリフォーム」について語ります。
水回りの場所を変えるのは思ったより大工事なのですよー。
始めます!
キッチンの位置を変えるのは全て移動が必要なのです。
皆様のご自宅、キッチンは対面式でしょうか?
それとも昔ながらの壁付け式?
恐らくこの記事を検索で発見した人は壁付けキッチンの方でしょう。

上の写真のような壁に向かって付いているキッチンを、最近の対面式キッチンに変えるのは、かなり工事が大変なのです。
具体的にはこのような感じの工事が発生します。
・キッチンの給排水、電気、ガスの移動。
・部屋その物の間取りの変更。
・間取り変更に伴う、天井や壁、床の補修。
つまり、キッチンの場所を変えるという事は1部屋丸ごとフルリフォームをするのと同じなのです。
木造の戸建て住宅の1階で行う場合が、比較的費用が掛からずに出来ますが、戸建ての2階やマンション、鉄骨造のハウスメーカーの住宅等だとかなり大掛かりな工事になります。

既存キッチンの解体、床の解体、給排水配管の移動。
これは木造住宅ならそれほど手間では無いですね。
キッチンの解体自体は半日で終わりますし、床の解体も2日目までに完了すると思います。
問題は給排水配管の移動です。
給水は圧力が掛かるのでどこへでも引き回し出来ますが、排水は高低差で流すしか無いのである程度取り回しが決まってきます。
大元の排水管へ結ばなくてはならないので、キッチンを移動させる位置によっては排水配管がかなり長くなります。
床下の状況によっては基礎が邪魔になったりもするので、リフォーム前に「基礎伏せ図」という図面を業者さんに確認してもらうことが大切です。

電気工事は分電盤から新しく配線を持ってくる必要がある場合は少し大変!
解体工事、水道工事はまだそこまで大変じゃないです。
古い戸建てやマンションのキッチンの位置を変える場合に少し大変なのが実は電気工事です。
分電盤から新しいキッチンまで配線を引くのが難しい場合があるからです。
リフォームするキッチンに食洗機やIHクッキングヒーターを新しく入れたい場合、分電盤から独立回路を取って配線を持ってこなくてはなりません。
その場合にまず問題になるのが「分電盤に空きが無い」という事。
そして分電盤から配線を引っ張ってくる時に天井に何カ所も穴を開けないと配線が引っ張れないという事の2点です。
最初の「分電盤に空きが無い」は隣に増設用の子ブレーカーを足しても良いのですが、壁付けキッチンレイアウトのお宅は大体分電盤その物がかなり古い事が多いです。
分電盤その物も実は寿命があります。
メーカー推奨の交換寿命は約13年と言われています。
ただ一般的には不具合が出てから交換する方が多いですが、キッチンやお風呂のリフォームと併せて交換するのもお勧めです。
金額は工賃含めて10万円以内で出来ることが多いです。
次に分電盤から電線を新しく引っ張ってくる時、これが簡単に出来る現場と「え?これ電線通せる?」ぐらいの現場に分かれます。
特に大変なのが「2×4(ツーバイフォー)住宅」と「古い団地」です。
いわゆる昔ながらの「在来木造住宅」や新しいマンションは比較的簡単です。
天井裏が高く、電線を通すスペースが沢山ありますからね。

逆に「2×4住宅」や「古い団地」は電線を通すスペースがかなり狭いため、長い距離に電線を通すときは中間に確認用の点検口を作らないと上手く行かないことが多いです。
古い団地等は構造上の問題で電線が隠蔽配線出来ない物件も多々ありますので、要注意です。
※露出配線にカバーを付けて引き回せば大丈夫な物件は多いです。

間取り変更に伴う大工工事も色々と大変なのです。
そしてキッチンの場所を変えることにより発生するお部屋内部の造作工事。
これがかなり大変です。
元々キッチンがあった場所の床工事は必須ですが、キッチンの位置を大きく変えた場合は、ほぼお部屋全面の床工事が発生します。
そして、それに伴う壁の工事。
更にはキッチンを据え付けるための造作工事。
こんな感じのアイランドキッチンならキッチンを据え付けてあげれば、据え付けの造作工事は大丈夫ですけどね。

そして忘れがちなのがレンジフード位置を変更することで発生するダクト工事です。
これが結構大変で、戸建て住宅みたいに比較的外壁に穴が開けやすい現場でも難儀する事が多いです。
ダクトを新しく引くとなると、ダクト剥きだしで部屋の中を通すわけにもいかないのでダクトカバーを造作しなければなりません。
ダクトカバーは不燃処理して部屋の中を通さないとまずいので、ここの工事だけでも結構大変です。
このようにかなり工事をする範囲が増えるので結果的にはかなりの大工事になります。
工事期間も戸建て住宅の場合で最低2週間。
マンション等で床の全面張替えなども発生すると3週間ぐらい掛かります。
みなさん結構簡単に「壁付けキッチンを対面のオシャレな感じに・・・」と言いますが、かなり時間とお金が掛かります。
頼むところによって金額は大きく変わります。必ず何社かお見積もりを!
最後に金額の件です。
これは使用するキッチンや間取りをどこまでいじるかで大きく変わってきます。
また、配管や電線の通し方でも金額が変わるため、一概にいくらですとは非常にお答えしにくくなります。
私が今までやってきた現場でも、やはり250万~500万円までと幅広い感じになっています。
こういう時に大事なのはやっぱり見積もりを3社ぐらい取ってみる事です。
見積りを取る時に大事な事は「同じ条件で見積もりを出してもらう」事。
3社に見積もりをお願いする場合は、最低条件として使用するキッチンや床材などは同じ物で見積もりを出してもらいましょう。
じゃないと何が安くて、何が高いのかが分からなくなります。
そして1社ずつ申し込むのではなく、一括見積りサイトを使ってのお申し込みをお勧めします。
一括見積りサイトを使えば、面倒な問い合わせを何回もしなくても大丈夫です。
最初に1回だけ無料プランと見積もり作成を申し込むだけ。
私のこのブログとも正規提携しているので、お気軽にお申し込みください。
・・・相談と見積もり作成は無料ですよー!