「下地が無いので木工事分見積もりに入れておきますね」と私は現場で良く言います・・・。
皆様のご自宅のトイレ、壁に下地板は入っていますか?
日本の多くの住宅、室内の壁紙の下は石膏ボード下地なので基本的にはビスによる手すり等の取り付けは出来ません。
※壁紙の隣のアイボリー色の壁が石膏ボード下地です。
この石膏ボードという素材、石膏の粉を固めて紙でサンドイッチして作る建材です。
石膏の粉の塊なので防火性能に優れていて、木の板を貼るのと比べて防音性能もあります。
ただ・・・、ネジが効かないのです。
軽い動かない物の固定なら「ボードアンカー」という物で出来ますが、手すりや体重を掛けるような使い方をするペーパーホルダーだと、アンカー固定は出来ません。
トイレの場合、予め新築の時に「この壁にペーパーホルダー付けます」と言っておくと気の利いた大工さんなら腰上ぐらいまではベニヤ板を入れて下地を作ってくれます。
※器具付けをするところだけは下地が入っていました。
※こちらのお家の下地は新築時にいれてあった物です。
でも、この写真の下地の入れ方だと「L型手すりを追加したい要望」には応えられないんです。
トイレを設計、又はリフォームする時の理想の下地の入れ方はどういう形なのか?
ズバリで言うと、器具付け(ペーパーホルダーや手すり)をする壁面は「便座の上から計って1mの高さ位までは全部下地入れておく」が理想です。
本当は床から天井まで全部下地入れても良いのですが、それだとベニヤ代も掛かりますからね。
「器具付けをする高さ分はベニヤ下地」ぐらいがちょうど良いのかなと思います。
設計段階で入れていなかった下地をリフォーム時に追加すると・・・。
トイレのリフォームを考える方で割と多いのが「ここに手すりを付けたいのですが」というご相談です。
トイレに手すり、若い時は必要無いのですが、大体80歳近くなると皆さん「あったほうが良い」と口にしますね。
それと下半身の関節があまり良くない方はトイレに手すりがあったほうが、立ち座りが楽になるみたいです。
ただし、写真のような手すりをトイレに後付けする場合は下地をきちんと作っておかないといけません。
手すりって引っ張って使われるものなので、かなり壁に強度が必要になります。
通常は木の軸組み(柱や桟)にベニヤ板12㎜厚さ以上を張って仕上げるのですが、ちゃんとやろうとするとまあまあ手間が掛かります。
新築で最初から「そこに下地お願いします」という状況なら良いのですが、リフォームだとちょっと面倒なのです。
施工方法はこんな感じです。
・下地を入れたいところの壁を切る。
・壁の裏の間柱や柱に補強材を取り付ける。
・切った壁のサイズでベニヤ板(12㎜が多いです)で塞ぐ。
※石膏ボードを上貼りして厚み調整する場合もあります。
・仕上げにクロスの張替えをして完成!
文章で書くと大したこと無いのですが、ゼロからやると大工さんで1~2時間。
住設屋さんで木工事が出来る人がやると2時間ぐらいです。
あ、クロス(壁紙)の張替えはクロス屋さんに頼みますよ(*´▽`*)
木造住宅ならこれで済みますけど、マンションや軽量鉄骨系の住宅(積水ハイ〇等)だともう少し手間を掛けないとちゃんと手すりは取り付けられません。
特に一番大変なのがGLボンド工法で作られているマンションです。
詳しい事はまた別の記事で書きますが、GLボンド工法は本当に下地を作りにくいんです!
あれを考えた人って「とりあえず今良ければヨシ!」ぐらいで考えてますね・・・。
私がGLボンド工法の現場に当たってしまうとちょっとガッカリしますね(*´ω`*)
下地造作は出来るのですが、ちょっとだけ手間が増えるからね!
また、「壁紙の張替えはしたく無いけど、手すりを取り付けられるようにしたい」と言われたときはこういう感じの「手すりベースプレート」を使います。
既存の壁紙の上からベースプレートを木ねじでとめて、その上に手すりを取り付けます。
これのメリットは「壁紙の張替えをしなくても手すりの下地が作れる」ということです。
逆にデメリットは「ベースプレートが出るのでちょっとカッコ悪い」ですかね。
施工は非常に簡単ですが、見た目が気になる方はちょっとお勧め出来ません(;´∀`)
トイレのリフォームと併せて下地造作がお勧めです。業者さん選びは慎重に!
最後にトイレの下地を作ってもらう時に気を付けることを。
下地の造作って簡単に出来そうですけど、実は結構気を遣う事が多いです。
「体重を掛けても大丈夫か?」とか「重たい物を載せても大丈夫か?」とか「元々の柱周りの補強は必要か?」とか色々あります。
その辺りを適当にやってしまう業者さんもたまーにいるんですよね。
私も稀に「あぁ、前の業者さん適当にやってんなぁ・・・」という事にあたります。
そういう事にならないためにも、業者さん選びは大切です。
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トイレ工事だけでも大丈夫ですし、トイレと併せて廊下の壁紙も張り替えたい・・・というような案件でも大丈夫です。
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